疲れた者、重荷を負う者は、だれでも私のもとに来なさい。休ませてあげよう。
(マタイによる福音書11章28節)
今世界の多くの人は疲れています。
戦争に疲れ、戦いに疲れ、復旧作業に疲れ、政治に疲れ、仕事に疲れ、勉強に疲れ、運動に疲れ、通勤、通学に疲れ、子育てに疲れ、教育に疲れ、人間関係に疲れ、介護に疲れています。つまり、今は生きることが疲れることになりました。誰のせいでもありません。この世界の、私たちが暮らしているこの社会の仕組みがそうなっているからです。そういうことが分かったうえで主イエスは言われました。疲れた者、重荷を負う者は、だれでも私のもとに来なさい。休ませてあげよう。何よりも私たちが一番疲れを感じるのは人間関係です。体は疲れても心が平和で自由で喜びがあれば、多くの場合、疲れを感じないわけです。また身体の疲れもすぐに癒されます。しかし人間関係で疲れるとなかなか癒されません。一日中思い煩うときもあるのです。長引きます。それだけ我々人間は人生の多くを人間関係の中で生かされている存在であるのです。それが良い関係であればよいのですが、反対だと苦しみます。
ここで現代人が今経験している疲れから解放される治療方法があります。この治療方法をthank-you therapyと呼びます。クリスチャンになって一番変わったことは?と聞きますと多くの場合、日頃から感謝することが増えたと言われます。同時に皮肉にも長く教会生活を行うと次第に感謝することが減っていきます。もちろんこれは信仰生活を間違って行うケースに見られる現象です。キリスト者はいつ、どこでも感謝する人々です。そして私たちこそ、人生の苦難を勝利に、死を復活に変えて生きる奇跡の人々であるのです。Jay Dennisという説教者は感謝による治癒の力を次のように伝えています。あなたにたくさんの税金が請求されたら感謝してください。それはあなたには安定した職場による収入があるとの意味だからです。あなたの体重が増えて服が入らなくなったら感謝してください。それは、あなたは食べることに困らず生きて来た証拠であるからです。洗濯すべき服が家のあちこちに散らばっているならば感謝してください。それはあなたには少なくとも着替える余分の服があるとの証拠だからです。
買物に行った時、入口から遠く離れた場所にある駐車スペースを見つかったら感謝してください。それはあなたに少しでも歩ける運動の機会が与えられたからです。あなたに不平を言える大統領や指導者がいるならば感謝してください。それはあなたは言論の自由が保障された国に住んでいるとの証拠だからです。あなたは礼拝の中で周りから大分音程が外れ、聞きづらい讃美歌が聞こえたら感謝して下さい。それはあなたの聴覚はまだ正常だとの証拠だからです。あなたは鳴り響く目覚ましい時計の音がやかましく聞こえたら感謝してください。あなたにはベッドから起き上がって生きるべき新しい一日が待っている証拠だからです。一日が終わる頃、疲れを感じたならば感謝してください。それはあなたが今日の一日を頑張って生きた証拠だからです。日頃から感謝する人生を生きると、日頃から奇跡を経験して生きることになるのです。しかし問題は多くの人の感謝する条件があまりにも幼稚であることです。期待以上に物事が運ばれたとき、成功した場合、あるいは何か良い事や思わぬ幸せが訪れた時に人々は感謝するのです。しかしこの感謝のセラピーはそれとは全く違う次元の感謝です。まったく気づいていなかったことに対する、しかし日頃から毎日経験している出来事からの感謝を取り上げているのです。感謝する人生を生きるとさらなる感謝することが生まれてくるのです。これが感謝の不思議さです。今日も感謝して生きることです。
いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。
(テサロニケの信徒への手紙一 5章16~18節)
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