"Citizens
of Heaven - Living as Pilgrims in a Temporary World"
『天の国籍を持つ者として - 仮の世での旅人の生き方』
しかし、わたしたちの本国は天にあります。そこから主イエス・キリストが救い主として来られるのを、わたしたちは待っています。(フィリピ3:20)
この世での在留資格と天の国の永住権という比喩は、キリスト者の本質的な立場を鮮やかに描き出します。地上の国々が外国人に対して様々な条件付きの在留資格を与えるように、天の国への入国にも明確な条件があります。しかし、その条件は官僚的なものではなく、イエス・キリストへの信仰という、根本的な人生の方向転換を求めるものです。
永住権を得るための条件は、その国にとっての必要性と法的要件の充足です。同様に、天の国の永住権を得るための決定的な条件は、イエス・キリストを主として受け入れ、神の御心に従って生きることです。「わたしは道であり、真理であり、命である」というイエスの言葉は、天の国への唯一の「査証発行者」が主ご自身であることを示しています。
しかし、注目すべきは、地上での永住権でさえも「永遠」ではないという事実です。いつか必ず、神の召しの時が訪れます。この認識は、キリスト者が「旅人」として生きることの本質的な意味を浮き彫りにします。私たちは往々にして、この一時的な世界に永住しようとする誘惑に駆られます。マイホームへの執着は、その象徴的な例と言えるでしょう。
使徒パウロや初代教会の信徒たちが示したように、真のキリスト者は旅人としての自覚を持って生きるべきです。この世での喜びは一時的なものであり、私たちが究極的に求めるべきは、永遠に続く天の国での喜びです。それは時間とともに薄れるのではなく、むしろ増し加わっていく本質的な喜びなのです。
この真理を理解することは、私たちの日々の生活態度を根本的に変えます。永遠の視点を持って生きることで、一時的な成功や快適さへの執着から解放され、より本質的な価値を追求することができます。さらに、この認識は他者への宣教の使命をも明確にします。
キリスト者に託された重要な使命は、天の国への唯一の道であるイエス・キリストを伝えることです。この世界で様々な道を模索している人々に、確かな希望を示すことができるのは、天の国籍を持つ者としての特権であり、責任なのです。
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