がんばりすぎている、あなたへ。
うだるような暑さが続きますね。
アスファルトから立ち上る陽炎に、まるで世界が歪んで見えるような気がします。少し外を歩くだけで汗が噴き出し、体の水分が失われていくのが分かるこの季節。私たちはこまめに水を飲み、「熱中症に気を付けてね」と声を掛け合います。
でも、私たちの心にも、同じようなことが起きているのかもしれません。
家族のために、大切な人のために。あなたはいつも、自分のことを後回しにして、周りの人の「のどの渇き」を潤すことばかり考えていませんか。相手の気持ちを先回りして汲み取り、笑顔で応え、波風が立たないように心を配る。その優しさは、本当に尊いものです。
けれど、誰かのための水差しにばかり水を使っていると、いつの間にか、あなた自身の「心のコップ」は空っぽになってしまいます。
なんだか些細なことでイライラしてしまう。
人の言葉が、いつもよりトゲトゲしく聞こえる。
夜、一人になると、どっと疲れが押し寄せて、涙が出そうになる。
それは、あなたの心が「もう水が足りないよ」と悲鳴を上げているサインなのかもしれません。あなたの心が、熱中症になりかけているサインなのです。
ここ、「心と体の給水所」で、少しだけ足を止めてみませんか。
がんばってきた自分を、まずは自分で認めてあげましょう。完璧な自分でいなくても、100点満点の対応ができなくても、大丈夫。あなたは、あなたのままで、もう十分すぎるほど素晴らしいのですから。
物理的にコップ一杯の冷たい水を飲むように、あなたの心にも意識的に「潤い」をあげましょう。
ほんの5分でいいのです。好きな音楽を聴く時間。窓の外の雲の流れを、ただぼーっと眺める時間。誰にも気を遣わず、自分のためだけにお茶を淹れる時間。
そんな「何もしない」時間こそが、からからに乾いたあなたの心に、じんわりと染み渡る一滴になります。
この厳しい暑さの中、あなたは本当に、よく頑張っています。
どうか、自分を責めないで。自分を追い詰めないで。
頑張り屋のあなただからこそ、時には立ち止まり、自分のために「優しい日陰」を作ってあげることを、忘れないでくださいね。
この場所が、あなたにとっての小さな木陰となりますように。
あなたの心と体に、優しい潤いが再び満たされることを、心から祈っています。
*午前中、歯科医院で長年連れ添った奥歯と最後の別れをしました。
トレーの上にあるその歯を前に、ただ「お疲れ様」と心から感謝を伝えました。
もう、新しい歯は生えてきません。僕の人生の喜びも悔しさも、共にぐっと噛みしめてくれた小さな相棒。その最後の姿を、静かに見送りました。
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