オレンジ色の空と「ありがとう」の交差点

 


休むはずが走り出した、オレンジ色の空と「ありがとう」の交差点

「今日こそ、休むぞ」

 

昨日の夜、固く心に誓ったはずでした。アラームもかけずに、身体が求めるだけ眠ろう、と。それなのに、人間とは不思議なものです。まだ暗い午前4時過ぎ、パチッと目が覚めてしまうと、もうダメ。私の足は、まるで自分の意志を持っているかのように、ランニングウェアへと向かっていました。

 

結局、いつも通りに玄関を飛び出すと、東の空がゆっくりとオレンジ色に塗り替えられていく、魔法のようなグラデーションの真っ最中。「今日も一日、暑くなるぞ!」とでも言うような、空からの力強い挨拶です。

 

走り始めてすぐ、規則正しい音を立てて角を曲がってきたのは、ゴミ収集車でした。早朝の静寂に響く「ガコン、ガコン」という音。それは、街が本格的に目覚める前に、一日を支える準備が始まっている証拠です。

 

ふと、足を止めずに考えます。もし、彼らが一週間、この街に来なかったら?

 

きっと、あっという間に道はゴミで溢れ、カラスたちの盛大なパーティー会場に早変わりすることでしょう。私たちが「当たり前」だと思っている清潔な日常は、この早朝の地道な働きによって、かろうじて保たれている。

 

そう思った瞬間、私の心の中に「ありがとう」という言葉が、ぽんっと浮かびました。

 

そして、その「ありがとう」は、連鎖反応のように広がっていきます。

 

このアスファルトを舗装してくれた人がいる。ありがとう。

街灯の電球を交換してくれた人がいる。ありがとう。

私が今履いているこの靴を作ってくれた人がいる。ありがとう。

コンビニの棚に、今ごろ商品を並べてくれている人がいる。ありがとう。

 

私たちの日常は、数えきれないほどの誰かの「仕事」の上に成り立っている。顔も名前も知らない、無数の人々の静かな貢献が、この社会を支えている。その事実に、走りながら改めて気づかされるのです。

 

もちろん、時には腹が立つことや、分かり合えない人もいます。でも、そんなことは一旦、心のポケットにしまっておいて。まずは、この世界を支えてくれている無数の「ありがとう」に目を向けるだけで、見える景色が少しだけ優しくなる気がします。

 

朝のランニングは、ただの運動じゃない。思考を巡らせ、日常に埋もれてしまいがちな大切なことに気づくための、最高の「黙想の時間」です。

 

今日も生きること。

生きるための命が、この心臓にあること。

だからまず、今日一日を、大切に生きることを考えよう。

 

オレンジ色の空の下、たくさんの「ありがとう」を心に集めながら、私はまた一歩、前へと足を進めるのでした。さあ、あなたも私も、今日という尊い一日を、大切に歩き出しましょう。今日は週1回のロピアでの買い物だ。夕食のメニューを考えよう!誰かのために。・・・

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