変わらない朝の、静かな祝福

 


変わらない朝の、静かな祝福

今朝、空気は透き通り、温度計は23度を指していた。
ランナーにとって、それはまるで神様が用意してくださった舞台の温度。
脚は軽く、呼吸は澄み、坂道を越えるたびに景色は輝きを増す。
ふと足が新しい道へと導かれ、その瞬間を「新しいコース」として心に刻んだ。
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キロ、最後まで走り抜けた足の感触が、まだ心に残っている。

 


世界は絶えずざわめき、地図の上では境界線が揺れている。
けれど、わが家の朝は変わらない。
炊飯器から立ちのぼる白い蒸気、しっぽを振るノアちゃんの小さな喜び、
そして、家族が目を覚ます気配。
それらは、騒がしい世界のなかで守られた小さな聖域だ。

今日も掃除をし、買い物をし、料理をし、職務に励む。



その合間、机には教会新報の原稿とデザイン案が広がっている。
企画、執筆、編集、印刷──すべて一人で紡ぐ作業は、
まるで見えない糸で誰かの心とつながる祈りのようだ。



第一号はすでに旅立ち、今は第二号が芽吹こうとしている。

朝ランの汗も、台所の湯気も、新聞作りの紙の感触も、
すべてが「今日も生きている」という証拠。
変わらない日々は、実は奇跡の日々。
静かな恵みは、いつも足元に流れている──それを見つけられるかどうかだけだ。



 

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