今日から30キロランがスタート

 


秋の夜明けに、30キロのランニングを始めました。時計はまだ午前3時半。冷たく澄んだ空気に胸いっぱいに息を吸い込み、ペースを刻みます。夜空には細い三日月がぽつんと浮かび、その下に寄り添うように一つの明るい星が輝いていました。秋の静けさと風の冷たさが、身体の奥まで沁み渡るようです。

 


走り続けるうちに、いつの間にか夜が白みはじめ、世界が目覚めていくのを感じました。東の空がほのかに赤く染まり、太陽がそっと顔を出すと、周囲の景色が一気に色を取り戻します。肌に触れる風や落ち葉の匂い、朝露に濡れた道――秋はすべてが豊かで、おいしく味わえる季節です。今日も「生きている」こと、その一歩一歩を噛みしめながら走りました。

 


昨日の朝は激しい雨が降り、娘を学校まで送る機会がありました。車内でゆっくり話す時間は贈り物のようで、彼女の将来、就職の話も聞きました。他の地での新しい生活が待っているそうです。いつか私もこの街を離れる日が来るかもしれない――そう思うと、今の時間の尊さが一層胸に迫ります。

 


走ることは単なる運動ではなく、考える時間であり、感謝を確かめる時間でもあります。責任を果たしながら、日々の小さな変化を受けとめていくこと。家族や仕事、暮らしの中にある当たり前を大切にすること。秋はそんな内省と喜びを教えてくれます。

 


これからの季節を存分に楽しみつつ、今日の一歩を大事にしていきたいと思います。もし早朝の静けさに触れてみたい方がいれば、ぜひ一度、夜明けのランニングを試してみてください。小さな発見がきっと待っています。



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