言葉の力：あなたの言葉は「薬」にも「毒」にもなる

言葉の力：あなたの言葉は「薬」にも「毒」にもなる

「湿気」「曇り空」「雨雲」「じめじめ」「汗でべたべた」…。

これらの言葉を見たり聞いたりするだけで、なんだか気分が少し重くなってしまいませんか？不思議なことに、私たちは天候そのものだけでなく、それを表す「言葉」だけでも気分が左右されてしまうことがあります。

実は、私たちはそれほどまでに『言葉』の影響を強く受ける、繊細な存在なのかもしれません。

言葉という「毒」

「言葉で人を殺すこともできる」という、少しドキッとするような表現があります。これは決して大げさな話ではありません。

何気なく発した一言が、相手の心を深く傷つけ、自信を奪い、時には立ち直れないほどのダメージを与えてしまうことがあります。悪意のある言葉はもちろんのこと、からかいや冗談のつもりが、相手にとっては鋭い「毒」となって突き刺さるのです。

これは言葉が強すぎるのでしょうか。それとも、私たちが弱すぎるのでしょうか。
おそらく、その両方なのでしょう。私たちは、いやなことを言われればいやな気分になり、落ち込む。それほどまでに、言葉の力に影響されやすい生き物なのです。

言葉という「薬」

しかし、言葉は「毒」になるだけではありません。それどころか、どんな高価なものよりも優れた「薬」にもなり得ます。

落ち込んでいる友人への「大丈夫だよ、あなたならできる」という一言。
誰にも気づかれないような努力を認める「よく頑張ったね」という称賛。
そばにいてくれることへの「いつもありがとう」という感謝。

そんな**「恵みの言葉」「祝福の言葉」「元気づける言葉」**は、相手の冷えた心を温め、明日へ向かう希望の光を灯します。言葉一つで、人は救われることがあるのです。

意識して「薬」となる言葉を選ぶ

では、どうすれば「薬」となる言葉を紡ぐことができるのでしょうか。

最も大切なのは、感情に流されず、意識的・意図的に言葉を選ぶことです。

これらを冷静に見極める「分別」が求められます。そして、口を開く前に、一呼吸おいて考えること。特に「最初の一言」は、その後のコミュニケーション全体の方向性を決めるほど重要です。

まとめ

言葉は、私たちの人生を豊かにもすれば、貧しくもする諸刃の剣です。

どうせなら、人を傷つける「毒」ではなく、人を癒し、元気づける「薬」となる言葉をたくさん語る人生を歩みたいものですね。

まずは、今日あなたが出会う人にかける、次の一言から。
その言葉が、誰かにとっての温かい「薬」になるように、少しだけ意識してみませんか。

EL CAMINO NOAH