深夜のハプニングがくれた、温かい時間
夜も更けた23時頃、突然娘からLINEが届きました。「南仙台で人身事故があって、電車が動かない」とのこと。急いで仙台駅まで車を走らせました。
駅に着くと、普段の喧騒とは違う、どこか疲弊した空気が漂っていました。娘の話では、電車の中で出発直前にアナウンスがあり、あちこちからため息が漏れたそうです。皆、
それぞれ仕事を終えてへとへとになっている中で、さらに足止めを食らう。その気持ち、痛いほど分かります。多くの人がスマホを手に、状況を伝えたり、迎えの手配をしたりしていたことでしょう。
帰りの車中は、思いがけず私たち二人のための、大切な時間となりました。
娘がぽつりと、「人身事故って、もしかしたら自殺なのかな?何か悩んでいたのかな…」と話し出しました。誰かの命が失われたかもしれないという重い現実に、若者らしい素直な感情が滲みます。「きっと、そうだったに違いないよね」と相槌を打ちながらも、私たちはやがて、日々のあれこれ、別の話題へと移っていきました。
日頃、学校やバイトで忙しくしている娘と、こんな風に深く語り合う時間はなかなかありません。思わぬハプニングでしたが、娘の心の内を聞き、また彼女が学校の後もバイトを頑張っていることに改めて感謝する、有益なひとときでした。
帰宅後、僕はそのまま愛犬ノアとの夜の散歩へ。深夜の澄んだ空気、夜風が心地よく、心落ち着く時間です。家に戻って温かいコーヒーを淹れ、いつも通りの仕事に取り掛かる。
一日の終わり、ちょっとしたハプニングが、日常のささやかなありがたさを一層強く感じさせてくれました。
人生には予期せぬ出来事がつきものです。時にはそれが、私たちの心をざわつかせ、予定を狂わせることもあります。でも、そんなハプニングの中にこそ、普段見過ごしがちな大切なもの、温かい時間や、感謝すべき瞬間が隠されているのかもしれません。
あの深夜のLINEが、私たち親子にくれたのは、単なる移動手段の遅れではなく、心の通い合う時間という、かけがえのない贈り物だったように思います。感謝。
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