2025年1月27日月曜日

夜明けを走り出す

 


冷たさが肌を刺す冬の朝、目覚めたばかりの世界の中で私は足を踏み出す。まだ暗い空、その冷たささえも私を拒むかのような風の音。だが、この冷たさもほんの序章に過ぎないことを知っている。ペースを刻む足音が少しずつ身体を温め、心を目覚めさせていく。それは、眠りから覚める世界と共鳴する旅路だ。

 


最初の2キロ、3キロ。寒さのカーテンがじわじわと引かれ、辺りに新しい温度が広がる頃、私の呼吸は規則正しくなり、視界に変化が訪れる。東の空がほんのわずかに赤みを帯びはじめ、静かに、しかし確実に命が芽吹こうとしている。それは、夜と昼の交差点。死と生が繋がる微妙な境界線だ。

 


そして、ついにその瞬間が訪れる。画像にも映し出された光景、地平線の向こうから顔を出す太陽。その輝きが、ずっと広がる黒い闇を溶かしていく。凍える大地もまた、この光に包まれ、新たな命の息吹を受け取っているようだ。陽が差し込む道路、家並み、草むら。全てが暖かさと明るさを取り戻す。

 


走る私の身体もまた、太陽と共に目覚めを迎える。それまでの疲れが嘘のように消え、心が軽くなる。朝日を見上げ、澄み渡る空気を吸い込むと今日が始まるのだと強く感じる。あの厳しい寒さや暗闇を越えて、前へ進んできたことの喜びと充実感が全身を包む。

 


写真に収められた河川敷の道は、私の人生そのものかもしれない。時には寒さに襲われ、時には暗闇に包まれる。それでも一歩一歩前進すれば、必ず光にたどり着く。その光は、苦しみや挑戦を乗り越えた者だけが得られる特別な報酬だ。

 


こうして今日も一日が始まる。毎朝のランニングは単なる運動ではなく、自分自身と向き合う大切な時間。静寂と太陽のエネルギーが心を満たし、この地球で生きる喜びを味わわせてくれる。私たちもまた、この朝日のように誰かの世界を照らす光でありたいと願いつつ。

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