1主よ、なぜ遠く離れて立ち/苦難の時に隠れておられるのか。2貧しい人が神に逆らう傲慢な者に責め立てられて/その策略に陥ろうとしているのに。3神に逆らう者は自分の欲望を誇る。貪欲であり、主をたたえながら、侮っている。4神に逆らう者は高慢で神を求めず/何事も神を無視してたくらむ。5あなたの裁きは彼にとってはあまりにも高い。彼の道はどのようなときにも力をもち/自分に反対する者に自分を誇示し6「わたしは揺らぐことなく、代々に幸せで/災いに遭うことはない」と心に思う。・・・・・・・
詩編10編は、不正と悪が蔓延する世界の中で、神の存在を問い、助けを求めるダビデの切実な祈りを記録しています。「主よ、なぜ遠く離れて立ち/苦難の時に隠れておられるのか。」との問いかけには、人間の限界と苦悩が深く滲んでいます。この詩は、私たちが困難や不条理に直面する時、信仰の中でどのように立ち上がるかを問いかけてくるものです。
現代社会も、暴力や不公平、経済格差に苦しむ場面が多くあります。私たちは時に、神の沈黙を感じ、不安にさいなまれることがあるでしょう。しかし、この詩編は、そのような状況でも神が最終的に弱者を守り、悪を裁く方であることを確信するように促します。
詩編10編はまた、正義を求める心と共に、私たちの行動を呼び起こす役割も果たしています。助けを必要とする人々に手を差し伸べ、不正に対抗することは、神が私たちに託された使命の一部であると教えています。祈りを捧げつつ、実際に行動を起こすことで、私たちは神の愛をこの世に反映することができます。この詩編は、苦難の中でも信仰を持ち続けることの力を思い出させてくれるものです。神の正義と愛に希望を置くことで、私たちも世界に光と平和をもたらす存在へと変わっていけるのではないでしょうか。
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