サンティアゴ、18日間の祈りの旅を終えて


闇を抜け、光の中へ。サンティアゴ、18日間の祈りの旅を終えて

長かったようで、あっという間だった18日間の祈りの旅。先週の土曜日、午後1811分、私は見慣れた長町駅のホームに降り立ちました。羽田から飛び立ち、マドリードの地を踏み、そして成田へと帰国する。その道のりは、神様に守られた恵みの時間であると同時に、小さな冒険の連続でもありました。

 


帰国、そして娘からの甘いミッション

帰りの成田空港で、私には娘から託された一つのミッションがありました。それは、彼女の大好きなクリスピー・クリーム・ドーナツを買って帰ること。しかし、調べてみると成田や上野に店舗はなく、大宮駅にあることが判明。帰宅ルートを少し工夫し、大宮経由で無事にドーナツを手にし、予定通りに教会へたどり着くことができました。旅の終わりに待っていた、甘くて愛おしい使命です。

 


巡礼の道、自分と向き合う時間

今回の旅も、エアーチャイナで北京を経由しマドリードへ。そこからバスと高速列車を乗り継ぎ、巡礼の出発点セビリアへと向かいました。

 


巡礼の道中は、実に順調でした。毎朝4時頃にまだ暗い中を歩き始め、祈りを捧げます。夜明けが訪れるのは8時頃。それまでの約4時間は、ヘッドライトの灯りだけを頼りに、漆黒の闇の中を進みます。この静寂こそが、何にも代えがたい恵みの時間でした。

 


一度歩き出すと、次の目的地まで8時間から10時間、休憩なしで歩き続けることも珍しくありません。雨が降ろうと、風が吹こうと、巡礼者は歩みを止めません。天候を理由に休むという選択肢はないのです。高原を越え、長い橋を渡り、時には車の行き交う道端をひたすらに歩きました。

 


巡礼を支えた「本当の秘訣」

「巡礼を最後までやり遂げる秘訣は、よく食べ、よく眠ることだ」とよく言われます。

 


しかし正直に言うと、私はそのどちらもできませんでした。スペインのレストランは夜20時以降に開くため、いつもその前に店で買ったサンドイッチで夕食を済ませていました。そして、夜中に何度も目が覚めてしまい、ぐっすり眠れた日は一日もありませんでした。

 


では、何が私を支えたのか。それは間違いなく「信仰」と「使命」でした。

 


この旅は、教会の子どもたち、教会員一人ひとり、そして教会に繋がるすべての兄弟姉妹のための「執り成しの祈り」の旅でした。特に、夜明け前の暗闇を一人で歩くとき、その祈りには切実さが加わり、より一層熱心になることができました。誰かと一緒では、決して得られない深い時間です。神様と静かに向き合い、自らの使命を再確認する、かけがえのない時間でした。

 


人は使命がある限り、どんな状況でも目的を達成できる。それが神様によって保障された使命であるならば、なおさらのことです。

 


日常という名の恵み、そして感謝

大きなトラブルもなく、主に守られて無事に帰国できたことに、心からほっとしています。そして昨日から、さっそく「日常」が始まりました。愛犬ノアの散歩、ランニング、掃除、買い物、そして今日からは料理も。妻や娘の送り迎え、ゴミ出し、タイヤ交換…。次々と再開される日々のルーティンがあることに、深い感謝を覚えます。

今日は教会墓地での納骨式です。 




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