冬の明け方、23キロのランニングに身を委ねる。暗闇を進むうちに、世界が少しずつ目を覚ましていく。冷たい空気が頬を撫で、肺の中まで澄んだ空気で満たされていく。
夜の帳が薄れゆく中、生き物たちが静かに活動を始める。枝々のざわめきに、小鳥たちの目覚めの歌声が重なる。雲間から差し込む朝日が、新しい一日の幕開けを告げている。
川面には薄霧が漂い、まるで夢と現実の境目のような幻想的な風景を作り出す。遠くには雪を頂いた山々が、永遠の時を刻むように凛として佇んでいる。その足元では、白鳥たちが優雅に羽を広げ、朝の挨拶を交わしている。
街が目覚めるにつれ、人々の営みが始まる。通勤の車が行き交い、制服姿の学生たちが自転車をこぐ姿が目に入る。それぞれが、それぞれの場所へと向かう。皆が懸命に、今日という日を生きようとしている。
走りながら、明日の葬儀のことを想う。今月二度目の永遠の別れ。命には限りがあるけれど、その一瞬一瞬が愛おしい。だからこそ、最後の別れの時まで、祈りと希望の言葉を紡ぎ続けたい。
夜明けの空気の中を走りながら、生と死が織りなす壮大な営みに想いを馳せる。新しい命が芽吹き、ある命が終わりを迎える。そんな永遠の循環の中で、私たちは今を生きている。
朝もやの向こうから差し込む光が、希望の象徴のように輝いている。今日も、命の尊さを胸に刻みながら、与えられた使命を全うしていこう。
生きとし生けるものへの祈りを胸に、新しい一日が始まる。
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