2024年最後のコラムとなりました。今年も広瀬川には、一羽の白鳥が静かに佇んでいます。この白鳥は、ここ2年間ずっと川に留まり続けており、他の白鳥たちと群れることなく、ひとりで過ごす姿がよく見られます。その姿は、まるで「孤独島」で日々を送っているようにも見えます。
しかし、ふと考えました。それは私たち人間の偏見に過ぎないのではないか、と。外から見れば、ひとりでいる白鳥の姿は寂しげに映るかもしれません。でも、もしかしたら本人(白鳥)は、自由で気楽な日々を楽しんでいるのかもしれません。この小さな島は、孤独の象徴ではなく、平和と自由の象徴なのかもしれません。私たちが「孤独」と感じるのは、あくまで人間の勝手な思い込みに過ぎないのではないでしょうか。
この白鳥の姿を見ていると、私たちが日々抱える偏見や先入観について考えさせられます。私たちの社会には、今もなお偏見や差別が根強く残っています。人種、性別、年齢、価値観、さまざまな違いがある中で、私たちはしばしば他者を「自分とは違う」と線引きし、そこに偏見を持ち込んでしまいます。その結果、孤立する人々や、誤解される存在が生まれてしまうのです。
2025年には、少しでも偏見や差別の少ない世界になってほしいと願っています。人々が互いの違いを受け入れ、尊重し合える社会が実現すれば、どれほど素晴らしいことでしょう。しかし、現実はそう簡単ではありません。偏見や差別を完全になくすことは難しいかもしれません。それでも、私たち一人ひとりがその現実に向き合い、小さな一歩を踏み出すことが大切です。
広瀬川の白鳥が教えてくれるのは、孤独に見える状況の中にも自由や平和があるかもしれないということ。そして、私たちが持つ偏見や先入観を手放すことで、新たな視点や気づきを得られるということです。2025年が、少しでも多くの人が互いを理解し、受け入れ合える年となることを祈りつつ、この一年を締めくくりたいと思います。